趣味と生きがいのための 平成俳句のすすめ(秀句鑑賞ガイド)

概 要

中高年者を中心に俳句を詠むのがブームになっています。本書は、萩原朔太郎賞など、数々の受賞歴を持つ著者が四季に合わせた160編の現代俳句を紹介・解説します。本文欄外では「歳時記」として季語や関連する語句を併記するとともに関連句も紹介。自分の俳句を詠むだけでなく、他人の俳句も読むことで、本当の俳句の醍醐味が味わえます。

著者 清水哲男
価格 本体1400円(税別)
ISBN 4-7980-1449-4
発売日 2006/09/29
判型 四六
色数 1色
ページ数 332
CD/DVD
対象読者 入門
シリーズ
表紙イメージ
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目次

◆春の句

1 小宮山政子 立春の卵立ちたる夫婦かな

2 八木忠栄 橋わたりきつてをんなが吐く椿

3 杉本 寛 東京に育ち花菜の村へ嫁く

4 日野草城 春寒や竹の中なるかぐや姫

5 平石和美 蔦の芽の朱し女は五十から

6 能村登四郎 挿木する明日へのこころ淡くして

7 殿村菟絲子 雛菓子を買はざるいまも立停る

8 景山筍吉 バレンタインの日なり山妻ピアノ弾く

9 坪内稔典 全身にポケットあまた春の宵

10 岩淵喜代子 受験期や深空に鳥の隠れ穴

11 井上 雪 寝押したる襞スカートのあたたかし

12 あざ蓉子 梅林やこの世にすこし声を出す

13 寺山修司 莨火を樹で消し母校よりはなる

14 有馬朗人 春や春まづはぶつかけうどんかな

15 久松洋一 春服の部下を呼び付け叱らねば

16 石 寒太 夢のまた夢に覺めけり櫻鯛

17 土肥あき子 夜のぶらんこ都がひとつ足の下

18 清水径子 老人の立つまでの間の虻の声

19 片山鶏頭子 青ぬたやかためにたきし昼の飯

20 早乙女わらび 青き踏む生まなくなつた女たち

21 吉田汀史 雛の日の鱗につつむ死もありぬ

22 福田甲子雄 宰相のごとき声だす恋の猫

23 及川 貞 冗費とも当然とも初わらび買ふ

24 三村八郎 啓蟄や押し方馴れし車椅子

25 平畑静塔 春昼や腑分けして来したゞの顔

26 小沢信男 あの店はいつつぶれしや辻朧

27 波多野爽波 春宵を番台にただ坐りをり

28 三浦成一郎 自分の田でない田となってれんげも咲く

29 池田澄子 花よ花よと老若男女歳をとる

30 川崎展宏 オメデタウレイコヘサクラホクジヤウス

31 小菅白藤 苗代に鴉を吊し出稼ぎへ

32 的野 雄 呑むために酒呑まない日四月馬鹿

33 中野寿郎 ンの字もソの字も同じ入学す

34 石田波郷 勿忘草わかものゝ墓標ばかりなり

35 小松月尚 ごくだうが帰りて畑をうちこくる

36 星野立子 美しき人は化粧はず春深し

37 川村智香子 骨壺の蓋のあきゐる朧月

38 奥坂まや たんぽぽに普通列車の速さかな

39 大畠新草 千代田区の柳は無聊みどりの日

40 常世田長翠 小酒屋の皿に春行く卵かな

◆夏の句

41 原田 暹 頭より軽きボールや夏始まる

42 竹下しづの女 苺ジャム男子はこれを食ふ可らず

43 香西照雄 長身めく一薫風の鳴り添ひて

44 堀内 薫 麦秋や教師毎時に手を洗ふ

45 文挟夫佐恵 六月の水辺にわれは水瓶座

46 山高圭祐 無聊の午後のラジオが感じいる軽雷

47 馬渕結子 走り梅雨ホテルの朝餉玉子焼

48 籾山庭後 五月雨や人語り行く夜の辻

49 石塚友二 泡盛や汚れて老ゆる人の中

50 菖蒲あや サルビアを咲かせ老後の無計画

51 坂石佳音 濡れるだけ濡れて帰る子てまりばな

52 三宅やよい キューリ切り母の御紋を思い出す

53 清水径子 汗ばむや桜の頃のいい話

54 冨田拓也 恍惚と蟻に食はれて家斃る

55 矢島渚男 幾たりか我を過ぎゆき亦も夏

56 富安風生 一生の楽しきころのソーダ水

57 藺草慶子 鶏小屋の近くに吊す水着かな

58 鳥居真里子 噴水の背丈を決める会議かな

59 須原和男 家庭医学一巻母の曝書

60 後藤夜半 學徒劇暑し解説つづきをり

61 大串 章 夜店より呼びかけらるることもなし

62 京極杞陽 大衆にちがひなきわれビールのむ

63 廣瀬直人 恙なき雲つぎつぎに半夏かな

64 澁谷 道 お流れとなりし客間の日雷

65 吉岡桂六 遠雷や別れを急くにあらねども

66 伊藤白潮 明易や書架にむかしのでかめろん

67 西東三鬼 片蔭の家の奥なる眼に刺さる

68 水津奈々枝 朝ぐもりはめても落ちる鍋のねじ

69 川角曽恵 大股になるよサングラスして横浜

70 久本十美二 定年の無位のアロハの涼しけれ

71 杉本幽鳥 吾がかむり得ざりし角帽夏休み

72 下山田禮子 缶詰の蜜豆開ける書斎かな

73 吹野 保 空港に眼鏡の力士雲の峰

74 竹中 宏 ひまわりと高校生らほかにだれも

75 高山れおな サラリー数ふ恋ざかりなる日盛り

76 後藤夜半 麦の穂を描き手白き団扇かな

77 石田波郷 西日中電車のどこか掴みて居り

78 堀口星眠 まろび根に氷菓もたらす声にはか

79 小島照子 羅を着し自意識に疲れけり

80 青木貞雄 夏よもぎ小さくちいさく無職と書く

◆秋の句

81 佐野幸子 新刊の机上に匂ひ秋立てり

82 吉村 明 キャラメルの赤き帯封原爆忌

83 比田誠子 終戦日父の日記にわが名あり

84 和田伊久子 よく噛んで食べよと母は遠かなかな

85 守屋明俊 天と地の天まだ勝る秋の蝉

86 篠田悌二郎 大瀑布ひとすじ秋の声を添ふ

87 桂 信子 盆過ぎや人立つてゐる水の際

88 深見けん二 退院をして来てをられ秋簾

89 村上友子 新豆腐切る朝風も揃えて切る

90 馬場移公子 いなびかり生涯峡を出ず住むか

91 大峯あきら 虫の夜の星空に浮く地球かな

92 三橋敏雄 撫で殺す何をはじめの野分かな

93 延広禎一 道化師の鼻外しをる夜食かな

94 南村健治 夢殿にちょっとすんでた竃馬

95 鶴 彬 夜業の窓にしやくな銀座の空明り

96 的野 雄 恋遠しきりりと白き帯とんぼ

97 青木月斗 人間に寝る楽しみの夜長かな

98 今井 聖 返球の濡れていたりし鰯雲

99 五味 靖 不思議なるものに持病やとろろ汁

100 櫛原希伊子 空に柚子照りて子と待つ日曜日

101 名取 等 台風直撃肺活八〇〇で怺えんとす

102 岡田飛鳥子 銀シャリてふ眩しき死語や今年米

103 和田耕三郎 よく晴れて秋刀魚喰ひたくなりにけり

104 児仁井しどみ 海苔巻を添へし見舞の山の柿

105 森田六合彦 包丁に載せて出されし試食梨

106 正木ゆう子 新宿の炸裂もせず秋ひでり

107 櫂未知子 天高く事情聴取はつづきをり

108 小川軽舟 灯火親し英語話せる火星人

109 伊藤淳子 月白をただぼんやりと家族かな

110 新津香芽代 われらただのぢぢばばながら敬老日

111 横山徒世子 運動会昔も今も椅子並ぶ

112 志賀 康 紅葉見のよりどりの赤絶交

113 星野麥丘人 萱負うて束ね髪濃き山処女

114 藤村真理 コスモスと少年ほかは忘れたり

115 加藤楸邨 思ひ出してはあそぶポケットの団栗と

116 平林恵子 秋冷の竹を眺むるあとずさり

117 伊藤通明 鰯雲記憶は母にはじまれり

118 盧 文 露深し今一重つゝむ握り飯

119 佐藤鬼房 砂に陽のしみ入る音ぞ曼珠沙華

120 富田木歩 かそけくも咽喉鳴る妹よ鳳仙花

◆冬の句

121 荒谷利夫 立冬の病みて眩しきものばかり

122 福田甲子雄 子供らの名を呼びたがふ七五三祝

123 小沢信男 目薬に冬めく灯り校正室

124 山口誓子 枯園に向ひて硬きカラア嵌む

125 田口 武 校則で着るやうなセーターを着て

126 鳥海美智子 落葉曼荼羅その真ン中の柿の種

127 清水青風 小春日やものみな午後の位置にあり

128 若林卓宣 すき焼きを囲むとなりの子も加はり

129 岡本 眸 北陸や海照る屋根の干布団

130 中原道夫 汁の椀はなさずおほき嚔なる

131 野沢節子 マラソンの余す白息働きたし

132 村上沙央 暖房や生徒の眠り浅からず

133 やなせたかし この頃の漫画わからずひなたぼこ

134 ふけとしこ 襤褸着て奉公梟に親のゐて

135 細見しゆこう 賀状書く痴呆かなしき友ひとり

136 大倉恵子 硝子戸に小さき手の跡クリスマス

137 波多野爽波 闘牛士の如くに煤を払ひけり

138 田中裕明 電線の密にこの空年の暮

139 宇佐美ふき子 注連賣の灯影のくらき店じまひ

140 飴山 實 除夜の月機械に注連を張りおわる

141 清水径子 屑買ひがみてわれがみて雪催

142 鳥居真里子 福助のお辞儀は永遠に雪がふる

143 北園克衛 水いろの帯ながながと雪女郎

144 太宰 治 外はみぞれ、何を笑ふやレニン像

145 西尾憲司 隠し持つ狂気三分や霜の朝

146 藤沢周平 軒を出て狗寒月に照らされる

147 志摩芳次郎 女客帰りしあとの冬座敷

148 柴田千晶 全人類を罵倒し赤き毛皮行く

149 永島理江子 大根擂る欲望なんてあるにはある

150 高島 茂 豆撒く声いくとせわれら家もたぬ

151 中林美恵子 星屑と云ふ元日のこはれもの

152 鈴木六林男 はや不和の三日の土を耕せる

153 皆吉爽雨 世に在らぬ如く一人の賀状なし

154 林 翔 門松に結晶体の雪刺さる

155 的野 雄 羽子板に残る遊侠世紀晴

156 林 朋子 鏡餅のあたりを寒く父母の家

157 高山れおな 小倉百人かたまつてゆく寒さ哉

158 石川桂郎 買初にかふや七色唐辛子

159 風間ゆき 今も師に遠く坐すなり新年会

160 大林秋江 吾が売りし切手をなめて春着の子

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