自殺という病
概 要
本書は、米イリノイ大に勤務する精神科医の著者が主要先進国ではトップの自殺死亡率という現実に直面する日本の病巣を明らかにするとともに、あなただけでなく、あなたの身近な人が自殺に直面したときに後悔しない現実的な対処法を解説します。最新の研究成果や豊富な臨床経験をもとに自殺の原因と対策をわかりやすく紹介しました。
| 著者 | 佐々木信幸 |
| 価格 | 円(税込)(本体1500円) |
| ISBN | 978-4-7980-1617-7 |
| 発売日 | 2007/03/29 |
| 判型 | B6 |
| 色数 | 1色 |
| ページ数 | 224 |
| CD/DVD | - |
| 対象読者 | 入門 |
| シリーズ | - |
目次
第1章 身近に潜む「自殺」という病の怖さ
① 恐るべき自殺大国ニッポンの実態
毎年三万人が自殺している現状
自殺は誰にでも起こりえる悲劇
日本は先進国最悪の自殺率
② 「自殺は個人の自由」なのか?
自殺とは病気による殺人だ
残された人達のトラウマ
自殺未遂生存者の悲劇
自殺を「個人の自由」と主張できる風土の怖さ
③ 自殺を減らせるのは誰だ
当事者には言葉は届かない
自殺を防ぐのは周囲の人間の力
第2章 自殺の原因について学ぶ
① 多因子としての自殺
自殺の原因は一つではない
「オモリ」モデルで自殺が起こる仕組みをイメージする
些細な理由の積み重ねが自殺を起こす
② 健康問題
病苦は自殺動機のトップクラス
身体疾患だけが病気ではない
③ 経済・生活問題
健康問題と並ぶ自殺理由
失業は金銭だけの問題ではない
④ 目的の喪失
子育てや仕事だけの人生の危険性
リストラ増加で自殺も増える
⑤ 熟年離婚
死別・離別のストレスは大きい
たくさんのオモリを背負う高齢者
⑥ 家族関係の希薄化
子供の有無と自殺率の関係
⑦ いじめ自殺
現代の子供がいじめに弱い理由
⑧ 喫煙
タバコを吸うと自殺率が高まる
因果関係は解明されていないが……
⑨ 飲酒
アルコール依存症と自殺率の関係
意外に多いアルコール依存
依存症でなくても過度の飲酒は危険
自殺企図者にとってお酒は凶器
⑩ 食生活
コレステロールが低いと自殺しやすい?
規則正しい食生活が大切
⑪ 日照時間
秋田県に自殺が多い理由
⑫ 性格傾向
うつ病になりやすい「メランコリー親和型性格」
昇進がきっかけでうつ病になることもある
自殺しやすいその他の性格
⑬ 家族と遺伝
自殺は遺伝するのか?
近親者の自殺の心理的影響
⑭ うつ病
「うつ病=自殺」というイメージは間違いである
うつの重症度と自殺の危険性は比例しない
うつ病は治りがけに自殺が起きやすい
うつ病初期の危険性
⑮ 精神科への偏見・差別
精神科への偏見の強さも自殺の遠因になる
第3章 自殺者の心理を理解しよう
① 自殺者の気持ちを想像できますか?
早期発見には自殺者心理のリアルなイメージが不可欠
自殺者には共通する心理状態がある
② 自殺企図者に共通する「二分思考」と「否定思考」
自殺者は必ず認知障害に陥っている
完璧主義が強まる「二分思考」
「すべてがうまくいかない」と感じる「否定思考」
③ 自殺者をさいなむ「孤独感」
自殺既遂者の七〇パーセントは誰にも相談しない
認知障害が「相談してもムダ」と感じさせる
「わかってもらえない」孤独感
④ 自殺へとつながる「退出」徴候
無力感・無価値感から来る「今すぐ身を引きたい」感情
自殺は「人生からの退出」
第4章 自殺予兆の発見と対処
① 自殺についての「ほのめかし」
自殺予防は周囲の対処がカギ
無意識の救援信号を見逃すな
生死や別れを暗示する言葉に注意
② うつ病の症状に注意する
多くの自殺はうつ病の察知で防げる
うつ病は身体症状で発見する
③ 自殺を打ち明けられた時の対応法
最良の行動は精神科受診につなげること
話を聞いて気持ちを楽にしてあげる
感情的な反応をしない
原因を追求しない
不用意にアドバイスや助言をしない
説得しない
励ましてはいけない
④ 自殺を考える人との上手な会話法
ただ傾聴すればいい
論理ではなく気持ちを理解しよう
ノンバーバルに伝えることの重要性
「信頼感」こそが命綱
⑤ 精神科受診へのつなげ方
「精神科には行かない」といったらどうするか?
頭ごなしにいわない
身体症状を引き合いに出す
内科受診を勧める
家族だけで精神科に相談に行く
⑥ 職場でできる具体的な対応
まず話を聞こう
社内カウンセラーなど専門家に相談する
病院受診を勧める
ゆっくり休める雰囲気を
病院に病状を聞きに行く
第5章 精神科ではどんな治療を受けるのか?
① 上手な病院の選び方
精神科を知って不安を解消しよう
精神科には三種類ある
家の近くの病院を選ぼう
② 精神科診察の流れ
必ず予約を入れていこう
無理矢理入院させられることはない
③ 精神科の薬物療法
SSRIによる薬物療法
抗うつ薬の有効性は結論が出ている
安心して薬物療法を受けるための七箇条
④ 認知療法の必要性
薬物療法だけでは不十分
自殺をもたらす「致死性」と「焦燥感」
認知療法は自分でもできる
⑤ 回復過程において家族がすべきこと
精神科医に任せっきりではいけない
通院・服薬の継続をサポートしよう

