図解入門 最新地球史がよくわかる本 [第2版]
概 要
地球46億年の謎に満ちた歴史とメカニズムを研究する「地球史」の最新トピックスを図表入りでやさしく解説した入門書です。革命的な地球観の転回をもたらした過去のトピックスとしてプレートテクトニクス革命や恐竜絶滅の天体衝突説を紹介。さらに、太陽系の惑星としての地球の考察、スノーボール・アース仮説、生物多量絶滅の謎解き、最古の生命化石、真核生物の進化プロセス、超大陸パンゲア、カンブリアの大爆発、エディアカラ動物群などの興味深いトピックスや地球史の大事件に着目して、世界の地球科学者達が取り組んでいる最近の地球史研究のホットな話題を掲載。「生命の星」誕生から未来、そして進化の謎をわかりやすく図解しています。
| 著者 | 川上紳一、東條文治 |
| 価格 | 円(税込)(本体2000円) |
| ISBN | 978-4-7980-2435-6 |
| 発売日 | 2009/11/20 |
| 判型 | A5 |
| 色数 | 2色 |
| ページ数 | 384 |
| CD/DVD | - |
| 対象読者 | 入門 |
| シリーズ | 図解入門 |
目次
第1章 新しい地球観
1-1 ウェーゲナーと大陸移動説
大陸は不動ではない
支持されなかった大陸移動説
1-2 古地磁気学からのアプローチ
地磁気の極移動
極移動曲線が意味するもの
1-3 海洋底拡大説
海洋底の地磁気の縞模様
海洋底拡大説からプレートテクトニクスへ
1-4 プレートテクトニクス革命
プレートからなる地球表層
プレート境界のしくみ
コラム チャールズ・ダーウィンと地質学
1-5 弧状列島と付加体
海洋底の年齢
付加体の形成
日本列島の地質構造
コラム 日本海の拡大説
1-6 恐竜絶滅説:1枚の粘土層の謎解きから生まれた新しい地球観
恐竜をめぐるさまざまな謎
1枚の粘土層をめぐる絶滅の謎解き
1-7 絶滅のシナリオと仮説の検証
小惑星の衝突が原因か
つぎつぎと見つかる天体衝突の物証
激変説と斉一説
コラム クレーターの成因を巡る論争
1-8 メキシコでのクレーターの発見
衝突の跡はどこにあるのか?
石油探査でみつかった衝突構造
1-9 もっと新しい地球観を目指して
科学革命とプレートテクトニクス
地層の縞模様は太陽活動を記録したものか
地層のリズムと月の起源
1-10 縞々学で読み解く地球史
縞々学とはなにか
縞模様のパターンから地球システムの変動を探る
全地球史解読
コラム 共進化とは
第2章 地球のしくみ
2-1 地球システム
地球システムとは
サブシステムが絡み合う地球の変動
2-2 大気と海洋の変動
大気循環のしくみ
海洋循環のしくみ
コラム 21世紀の海洋観測「ARGO計画」
2-3 気候システム
気候システムとフィードバック
長期的な「気候変動」の復元
太古の大気が残る氷床コア
地球化学サイクルモデル
コラム 大気の成層構造
2-4 熱機関としての地球
地球の内部からしみ出す熱エネルギー
地球の温度構造
地殻熱流量
2-5 マントル対流
マントル対流をめぐる2つの見解
マントルの流動特性
コラム マントルの粘性率
2-6 ホットスポット
ホットスポット概念の提示
2-7 マントルトモグラフィー
地震が伝わる速度をマッピングする
地震トモグラフィーからマントルトモグラフィーへ
2-8 プルームテクトニクス
プルームテクトニクスとは
コラム 地球の成層構造
2-9 核‐マントル境界と新鉱物の発見
謎めいた「核-マントル境界」の地震学的特長
新鉱物ポストペロブスカイトの発見
2-10 地球磁場とその変動
地球磁場の発見
磁場の変動のメカニズム
コラム 岩石の絶対年代測定法について
2-11 地殻の成長
地殻のなりたち
大陸地殻の成長曲線とは
コラム 地球中心核の発見
2-12 マントルの分化と地球の熱史
マントルが分化して地殻が生まれた経緯
地球の熱的歴史
コラム 地球の年齢
第3章 太陽系の中の地球
3-1 太陽系の姿
太陽系を構成する天体――太陽系の惑星は9個から8個に!
小惑星帯
隕石
カイパーベルト天体
オールトの雲と彗星
3-2 小惑星帯での大規模衝突が地球の歴史を変えた
小惑星の族の発見
ヤルコウスキー効果とは?
小惑星帯から地球軌道へ
「かぐや」が撮影した月面の新しい衝突構造
コラム メッセンジャーによる水星探査
3-3 どうして金星は熱く乾いた惑星になったのか?
金星の水
金星大気から水の散逸率
金星はもともと水の少ない惑星だったのか?
コラム 金星の4日循環の謎
3-4 かつて温暖な気候だった火星
火星の気候の謎
火星に水があった証拠
火星大気の進化
コラム 個性的な木星型惑星の衛星たち
第4章 地球の形成・生命の誕生(第1事件)
4-1 宇宙のゴミから生まれた地球
太陽系の起源
微惑星説の科学的根拠
4-2 微惑星衝突による地球の成長過程
原始地球の誕生
中心核(コア)の形成
4-3 核の軽元素問題
なぜ、中心核の不純物の存在を知ったのか?
核の軽元素の正体をめぐるさまざまな仮説
内核の金属鉄の結晶構造を探る
4-4 マントルの親鉄元素の過剰問題
マントル物質中の親鉄元素
親鉄元素が過剰に存在する理由
4-5 月はどのようにしてできたのか
月の起源――4つの仮説
月起源論の変遷
4-6 タングステン同位体比が語る中心核と月起源
消滅核種ハフニウム(Hf)182
核形成は太陽系形成から3000万年後だった
月と地球マントルのε182Wの差
鉄隕石母天体での核とマントルの分離
4-7 大気の起源をめぐって
地球内部からしみだした「二次大気」
衝突脱ガスと大気の形成
水から海洋が生まれたプロセス
海が存在したことを示す枕状溶岩
4-8 生命の起源論
原始海洋のスープで生命が誕生した
最初の生命が生まれた場所
温泉バイオマットは生きた化石
コラム 生命とは何か
第5章 大陸地殻のはじまり(第2事件)
5-1 失われた6億年
物証のほとんど残っていない時代
初期地殻の化学組成
5-2 地球最古のダイヤモンドの発見とその波紋
ジルコン粒子が生まれてから礫岩になるまで
ジルコン結晶中に発見されたダイヤモンド
ますます深まる謎
5-3 比較惑星学から探る初期地球の姿
月の地質構造
39億年前の隕石重爆撃事件
コラム クレーター年代学とは
5-4 太古代の地殻
地域ごとに異なる地層の遷移
太古代のグリーンストーンベルト
太古代の地殻から原生代の地殻へ
コラム バーバートングリーンストーンベルト
5-5 グリーンランドに眠る最古の地層
イスア地域の地層の特徴からわかること
炭素同位体比の測定
生命活動の痕跡をめぐる論争
いまだ決着をみない問題
5-6 西オーストラリアのピルバラ地塊
ピルバラが生命化石の探査地として注目される理由
5-7 最古の生命化石を探る動き
先カンブリア時代ブームの幕開け
最古の生命化石をめぐる論争
生命化石のさらなる探求
5-8 太古代の大陸バールバラ
ピルバラと並ぶ重要地域
超大陸バールバラという仮説
地層の積み重なりの共通性から大陸を復元する
コラム プレートテクトニクスの成立条件を考える
第6章 光合成のはじまりと超大陸の形成(第3事件・第4事件)
6-1 地球進化の作業仮説
地球進化における生物進化の段階
クラウドの先見性
コラム 地質時代区分に対する考え方
6-2 初期地球の大気組成
原始地球に大気が生まれる
原始大気中に酸素はどれくらい存在したか?
6-3 ストロマトライトの発見
ストロマトライトとはなにか
地球上で酸素を発生させた生物「シアノバクテリア」
ストロマトライトの縞模様の秘密
6-4 最古のストロマトライトをめぐる論争
35億年前のストロマトライトは生物起源か?
シアノバクテリアはいつ出現したのか?
ストロマトライトの3次元形態と成因
6-5 細菌から光合成の起源を探る
植物の系統とシアノバクテリア
生命誕生のカギを握る光合成細菌
6-6 35億年前の光合成細菌がつくった地層の謎
チャート層からみつかる化石
微生物様の化石をめぐって
バイオマットの正体
6-7 酸素汚染の物証としての縞状鉄鉱床
縞状鉄鉱床の特徴からわかること
大気・海洋中の酸素の歴史
6-8 縞状鉄鉱床の形成年代をめぐる問題
スペリオル型とアルゴマ型
アルゴマ型縞状鉄鉱床の謎
縞状鉄鉱床の縞模様の階層性
6-9 真核生物の出現
真核細胞という生き残り戦略
真核生物の進化のシナリオ
藻類の進化
6-10 真核生物のバイオマーカーとは
有機物汚染の可能性を検証する
炭素同位体比の測定
炭素同位体比分析で明らかになったこと
最古の真核生物の化石「グリパニア」
6-11 超大陸の成立
太古代-原生代境界事件
北米大陸の成立
コラム 異分野の連携は共通のフィールドをもつことから始まる
6-12 超大陸の復元
超大陸ヌーナ
超大陸コロンビア
コラム 原生代初期の氷河時代
第7章 原生代後期の地球変動
7-1 スノーボール・アース仮説
氷の惑星と化した地球
気候学の常識を覆したスノーボール・アース仮説
暗い初期太陽パラドックス
7-2 スノーボール・アース仮説に至る道のり
氷河堆積物の不可解な点
古地磁気学的研究からのアプローチ
7-3 仮説の組み立て
縞状鉄鉱床とスノーボール・アースの関連性
説得力ある証拠に基づくシナリオが登場
コラム 縞状鉄鉱床が示す原生代後期の酸素濃度の増加
7-4 低緯度氷河問題
――地軸が大きく傾くと地球の気候はどうなるか?
なぜ、氷河堆積物は低緯度地域に集中しているのか?
仮説を後押しした月起源論
仮説の検証へ向けて
7-5 蒸発岩と地球システム
地心軸双極子仮説と気候区分
古生代以前の蒸発岩の古地磁気学的研究
仮説の検証
7-6 リップル構造は全球凍結の新たな証拠か?
地層に残された波の記録
異常な波の周期の真相
コラム 原生代後期の氷河時代に関する気候学的パラドックス
7-7 超大陸ロディニア
大陸棚の形成
ロディニア大陸の復元
ゴンドワナ大陸
コラム 氷河時代の発見
7-8 大陸地殻の進化と表層環境の変遷
初期地球の海洋地殻は厚かった
コラム 原生代末の天体衝突事件
第8章 多細胞動物の出現事件(第5事件)
8-1 カンブリアの大爆発と動物の起源論の展開
ヘッケルの仮説
新しい動物の系統樹
ホックス遺伝子とは
多細胞動物の出現時期
8-2 エディアカラ動物群の発見
偶然発見された大型化石
ロシア白海のエディアカラ動物群化石
8-3 エディアカラ動物群の特異性
ザイラッハーの問題提起
対称性からみたエディアカラ動物群の特異性
8-4 多細胞動物の最古の化石記録を探る
ドウシャンツオ層の胚化石
ドウシャンツオ層のカイメン化石
新たに発見された左右相称動物化石
動物起源のバイオマーカーの探査
8-5 バージェス頁岩動物群
奇妙奇天烈ないきものたち
コラム 注目される澄江動物群
8-6 グリーンランドのシリウスパセットでの発見
ハルキエリアとウィワクシア
バージェス頁岩動物群の重要性
8-7 原生代後期からカンブリア紀にかけての環境変動
硬骨格獲得の要因と環境変動
大型多細胞動物の出現で大きく変わった地球システム
コラム カンブリア紀は5億4200万年前に始まった
第9章 古生代末の生物大量絶滅事件(第6事件)
9-1 生物多様性の変遷をめぐって
天変地異説と斉一説の対立
9-2 顕生代における生物多様性の変遷と5大絶滅事件
化石分類群をレンジ・チャートにまとめる
地球史にみられる5大絶滅事件
9-3 三葉虫の適応放散とイアペタス海
三葉虫が語る古生代の大陸配置
コラム イアペタス海とウイルソンサイクル
9-4 生物大量絶滅の原因論
仮説1――海水準変動が生物絶滅を招いた
仮説2――気候の寒冷化
仮説3――大規模火山活動説
仮説4――天体衝突説
9-5 P/T境界の生物大絶滅事件
ペルム紀と三畳紀
ジュラ紀付加体に残されたP/T境界事件
黒色泥岩は何を意味するのか?
フラーレンの探査
炭素同位体比の負の異常が語る絶滅期の長さ
9-6 P/T境界でも天体衝突があったのか?
フラーレンが天体衝突の証拠となるか
温室効果ガスによる温暖化
オーストラリア北西沖合いで火が点いた激しい論争
コラム 顕生代における大陸分布の復元
9-7 白亜紀‐第三紀境界事件をめぐるその後の展開
生き延びた生物と滅び去った生物
デカン高原の洪水玄武岩の活動
コラム オルドビス紀の石灰岩に記録された隕石母天体の衝突破壊事件
第10章 恐竜の時代から人類の時代へ
10-1 恐竜の時代
恐竜の進化系統
羽毛をもつ恐竜化石と鳥類の起源
コラム 脊椎動物の起源と進化
10-2 Tレックスが巨大化したわけ
S字型の成長曲線
Tレックスの加速的成長期
コープの法則
10-3 新生代の気候変動
新生代の地球システム
古第三紀の突発的温暖化事件
新たな謎
10-4 ノルウェー海でのメタンハイドレートの融解
温暖な気候をもたらしたメタンガス
温暖化にともなう海の酸性化
メタンガスの放出で海が酸性になった証拠
コラム 植物の進化
10-5 「世界の尾根」が生まれる
チベット高原の急激な隆起
1000万年前の活発な動き
10-6 山地形成と気候
山地形成によって一変した地球の気候
C4植物の生息域の拡大
10-7 氷河時代の原因論
ミランコビッチサイクルとは
氷期‐間氷期サイクルの復元
10-8 人類の出現
人類の進化系統樹
最古の人類化石サヘラントロプスの発見
アウストラロピテクスの系譜
猿人から原人へ――ホモ・ハビリス
類人猿と人類を結ぶミッシング・リンク――ホモ・エレクトス
コラム ノアの洪水の舞台は黒海だった?
10-9 脳の発達と自然観への欲求
氷河時代と大脳皮質の意外な関係
科学的探究の最前線とは
コラム 地球と生命の未来

