図解! IFRS時代の管理会計~今こそ必要な管理会計の再構築~
概 要
新しい全世界統一の会計基準「IFRS」時代にあわせた管理会計を再構築する方法をわかりやすく図解付きで解説した入門書です。IFRSは、ボーダーレスな証券市場において投資家に上場企業間の比較をさせやすくするための会計ルールですが、外部報告目的の財務会計をそのまま内部の経営管理に使うことはできません。そこで本書では、公認会計士である著者が、IFRSの本質を踏まえ、基本的な考え方からマネジメントへの応用など、IFRSを積極的に経営に使えるように、管理会計を再構築する方法を図解でわかりやすく解説します。
| 著者 | 金子智朗 |
| 価格 | 円(税込)(本体2000円) |
| ISBN | 978-4-7980-2719-7 |
| 発売日 | 2010/8/31 |
| 判型 | A5 |
| 色数 | 1色 |
| ページ数 | 280 |
| CD/DVD | - |
| 対象読者 | 初級 |
| シリーズ | - |
目次
第1章 IFRSによって高まる管理会計の重要性
1-1 IFRSの意義
それは「比較可能性の向上」に尽きる
IFRSはあくまで財務会計のお話
ルールが同じであることが最大の意義
ボーダレスな資本市場における必然
比較可能性の向上に尽きる
1-1のまとめ
1-2 各国の動向
このままでは日本は取り残される
国際会計基準から国際財務報告基準へ
EU、米国そして日本
アジアでも後れを取る日本
1-2のまとめ
1-3 コンバージェンスとアドプション
2段階対応の歪み
コンバージェンスと言うけれど
なぜ日本基準にこだわるのか
日本基準にこだわるもう1つの理由
経営管理の役割を担うのは管理会計
1-3のまとめ
1-4 IFRSは誰のためのものか
この理解がまず重要
日本の会計基準の目的
IFRSは投資家のためのもの
他のステークホルダーにも有用のウソ
経営者は最初から対象外
1-4のまとめ
1-5 求められる管理会計の再構築
確固たる管理会計がないと振り回される
IFRSは管理会計として機能しない
会社は誰のものか
ゲームのルールは1つでもやり方はそれぞれ
確固たる管理会計がないと振り回される
1-5のまとめ
1-6 グローバル・グループ・マネジメントのインフラに
IFRSを標準化のドライバとする
IFRS対応はJ-SOXとはワケが違う
投資家のためだけでは割に合わない
比較可能性の向上を経営上も享受する
あらゆる標準化のドライバに
1-6のまとめ
第2章 会計に対する基本的考え方の違い
思想の違いを理解することが第1歩
2-1 アカウンティングからファイナンスへ
IFRSは会計基準ではない?
従来のアカウンティングの目的は期間損益計算
IFRSはキャッシュ・フロー情報を重視
「会計基準」から「財務報告基準」へ
2-1のまとめ
2-2 資産・負債アプローチ
P/LとB/Sの主従が逆転
利益を計算する2つのアプローチ
歴史的には資産・負債アプローチが最初
なぜ再び資産・負債アプローチなのか
2-2のまとめ
2-3 公正価値重視
短期的志向に陥りやすくなる
究極的に目指しているのは全面時価会計
ファイナンスの影響が強い公正価値
その時々の公正価値を重視
利益のアップ・ダウンは激しくなる
2-3のまとめ
2-4 公正価値に基づく資産・負債アプローチが意味するもの
利益志向から価値志向へ
IFRSが示すのは株主価値
投資家にとっては確かに有用
利益は経営成績という感覚は乏しい
結果は見えるがプロセスは見えない
2-4のまとめ
2-5 実質優先
税法の規定は理由にならない
法的形式よりも経済的実態を優先
税法規定は理由にならない
マネジメント上は望ましい
2-5のまとめ
2-6 連結重視
グループ・マネジメントがしやすくなる
連結重視は世界の常識
連結範囲の拡大
会計方針と決算日の統一
現地主義が認められない
2-6のまとめ
第 3章 変わる財務諸表の見え方と意味
管理会計で考慮すべき具体的ポイント
3-1 IFRSにおける財務諸表
名称もフォーマットも変わる
財務諸表の構成と名称
財務諸表が変わる
3-1のまとめ
3-2 包括利益計算書の構造
特別損益がなく経常利益もない
IFRSにおける利益を理解する
「その他の包括利益」が追加されるだけ
当期利益より上の相違点
新・財務諸表では営業利益や事業利益が見える
3-2のまとめ
3-3 包括利益とは何か
正体を知れば恐れるに値しない
「その他の包括利益」の内訳
日本基準における有価証券の含み益の処理
IFRSにおける有価証券の含み益の処理
3-3のまとめ
3-4 包括利益をどう捉えるか
当期純利益と二者択一の問題ではない
ボトムラインを巡る議論
やりたいことはノイズの分離
自主的に利益区分を設ける
3-4のまとめ
3-5 過年度遡及修正
時系列での整合性が保たれるようになる
変更やミスは最初からなかったことにする
時系列比較はやりやすい
会計方針に左右されない仕組みを
3-5のまとめ
3-6 マネジメント・アプローチ
管理会計の視点が財務会計に入ってくる
形骸化している従来のセグメント情報
管理会計の切り口で開示
開示項目に対応できるか
IFRSに影響を受け過ぎたら本末転倒
3-6のまとめ
3-7 大きく変わる売上高
売上高大幅減少の可能性
出荷基準は認められなくなる可能性大
代理の関係にある場合は総額計上できない
3-7のまとめ
3-8 新しい収益認識
資産・負債アプローチの徹底
契約に基づく新しい収益認識基準
支配の移転で履行義務の充足を判断
実務上の影響
3-8のまとめ
3-9 有形固定資産とリース
B/S計上額もP/L計上額も大きく変わる
有形固定資産は減価償却が大きく変わる
定期的に見直す体制が必要
固定資産管理台帳増大の可能性
リースは全てオン・バランス化
3-9のまとめ
3-10 無形資産
ブランド価値のB/S計上が求められる
研究開発費の一部は資産計上
ブランド価値も計上
のれんは償却対象外
3-10のまとめ
3-11 固定資産の減損
減損適用のケースが増える
減損の本質
日本は予選本戦方式
IFRSは本戦のみ
3-11のまとめ
3-12 公正価値適用の範囲が広がる金融商品
注意を要する含み損益の処理
現行IFRSの金融商品
持ち合い株式は売却損益もOCIへ
3-12のまとめ
3-13 金融負債の公正価値評価
財政状態悪化で利益が出る?
負債評価益のパラドクス
負債評価益が発生したメカニズム
利益は誰のものか
IFRSの利益は管理会計に使えない証拠でもある
3-13のまとめ
3-14 金融負債と資本の区分
株式を発行しても負債になることがある
金融市場の発展が背景
実質的判断に基づき負債と資本を区分
IFRSにおける資本は負債で決まる
3-14のまとめ
第4章 管理会計における基本的な財務指標
IFRSベースの財務指標の意味と必要な修正
4-1 IFRSにおける財務指標の留意点
基本的に連続性は保たれない
IFRSが財務指標に与える影響
時系列比較は難しくなる
4-1のまとめ
4-2 容易になる国際的な企業間比較
IFRSによって初めて意味を持つ
会計基準が異なる企業は比較できない
IFRSによって明らかになる国際競争力
海外グループ企業の経営レベルが上がる
4-2のまとめ
4-3 財務指標分析の基本的スタンス(1)
見えなくなるものを補う
分析目的に応じて財務諸表を修正する
取扱高の情報を補う
利益を細分化する
4-3のまとめ
4-4 財務指標分析の基本的スタンス(2)
新たに見えるものを活かす
事業利益=EBIT
資産区分も利益区分と整合的に
公正価値から企業価値へ
4-4のまとめ
4-5 収益性指標(1)
ROEを中心とした見方
日本における収益性の捉え方
欧米における収益性の捉え方
4-5のまとめ
4-6 収益性指標(2)
IFRSの性質を考慮した修正
ROEの分母と分子は整合していない
株主に対するリターンは当期純利益と考える場合
株主に対するリターンは包括利益と考える場合
4-6のまとめ
4-7 収益性指標(3)
売上高の修正
代理の関係にある場合は要注意
売上高の代わりに取扱高を使う
IFRSの売上高に慣れるという方法も
4-7のまとめ
4-8 収益性指標(4)
事業収益性を見るROIC
日本では馴染みの薄いROIC
ROAとROEの問題点
ROICで事業収益性が見える
4-8のまとめ
4-9 収益性指標(5)
IFRSによって可能になる新たな指標
新・財務諸表は対応関係がよく見える
純粋な事業収益性が見える
正味営業資産と正味投資資産に対する利益率
4-9のまとめ
第5章 マネジメントのための管理会計のカタチ
管理会計の基本形にIFRS特有のポイントを加味する
5-1 カタチの重要性
カタチが人の思考を規定する
人は見えているもので判断する
掛け時計を掛けろ
人は採点基準通りに行動する
5-1のまとめ
5-2 マネジメントに役立つ管理会計のカタチとは
意思決定に役立ってこそ
セグメント別損益管理が基本
意思決定に役立たなければ管理会計ではない
IFRSの特性を考慮する
5-2のまとめ
5-3 マネジメント・アプローチを考慮した
セグメンテーション
制度的要請を同時に満たす
IFRSの要請を考慮する
事業セグメント
報告セグメント
開示内容
5-3のまとめ
5-4 変動費と固定費を分ける
意思決定のための基本
足を引っ張っているのはどの部門か
変動費と固定費に分ける
5-4のまとめ
5-5 固定費を個別と共通に分ける
これによって撤退の判断ができる
部門Cを撤廃したらどうなるのか
個別固定費と共通固定費
5-5のまとめ
5-6 費用を管理可能性で分ける
人の評価と組織の評価を混同しない
貧乏くじは誰も引きたくない
部門の評価と部門長の評価は違う
費用を管理可能性で分ける
5-6のまとめ
5-7 配賦の意味
配賦は政策的であって構わない
あるべきセグメント別損益計算書
配賦に凝る必要はない
妥当な金額だけを配賦する
5-7のまとめ
5-8 IFRSを考慮したひな形の修正
管理の連続性を確保しIFRSの要請にも応える
「取扱高」が見えるようにする
必要ならば経常利益を補足する
その他の包括利益の管理方針を明確にする
資産・負債項目を補足する
5-8のまとめ
5-9 公正価値を活用した投資の評価
減損はNPV法による投資評価と等価
公正価値=ファイナンス的な見方
減損の本質
投資の合理的評価が可能に
5-9のまとめ
5-10 VBM(Value Based Management)
企業価値重視の経営管理
公正価値から企業価値へ
VBMとは
VBMの効用
5-10のまとめ
第6章 グローバル・グループ・マネジメントに活かす
IFRSを活用したグループレベルの管理会計へ
6-1 グローバル・グループ・マネジメントの必要性
税制改正も追い風に
投資家は連結情報しか見ない
実質的にもグループは一体
グループ経営に歩み寄った税制改正
6-1のまとめ
6-2 IFRSで可能になるグローバル・グループ・マネジメント
比較可能性の向上を経営管理に活かす
グループのマネジメントはできているか?
IFRSがグループ・マネジメントのインフラになる
もう言い訳はできない
6-2のまとめ
6-3 連結対象の拡大
すべての子会社が連結対象になる
支配の有無で連結対象を判断
非連結子会社という考え方はない
ベンチャー・キャピタルの投資先も連結対象
6-3のまとめ
6-4 会計方針と決算日の統一
グループ経営の第一歩だが実務対応は大変
会計方針は関連会社も統一
決算日も実質的に統一
当然ではあるが実務対応は大変
6-4のまとめ
6-5 注意を要するのれんの扱い
M&Aの成否を厳しく評価
のれんとは何か?
償却せず毎期減損テスト
経営管理上、有用なのはどちらか
6-5のまとめ
6-6 “管理連結”の実現
場合によってはグループ会社の整理も必要
セグメント情報は連結で
管理連結はグループ経営に必須
別会社である必要はあるのか?
6-6のまとめ
6-7 マネジメントに役立つセグメンテーション
どういう切り口で見るのか
IFRSの例示は製品・サービス別
売上は顧客がもたらす
責任会計の観点からは組織別
6-7のまとめ
第7章 IFRS時代の管理会計を実現するには
人、業務プロセス、ITの対応
7-1 明確にすべきIFRS対応戦略
制度対応だけか、管理会計までやるのか
どこまでやるか
一定の管理会計の対応は不可欠
さらに経営改革まで踏み込む
7-1のまとめ
7-2 スキルの前に求められるマインド
考え方を根本的に変える必要がある
実質優先の原則主義
あくまで投資家のため
7-2のまとめ
7-3 求められるスキル
理想は“英語ができる外向的理系人間”!?
必要不可欠な英語力
論理的思考力とプレゼン力
数学的素養も必要
7-3のまとめ
7-4 情報システムの対応
その本質はマルチ・スタンダード対応
複数の会計基準に対応する必要がある
理想的だが少々過剰な元帳二重方式
現実的な組替方式
7-4のまとめ
7-5 “財管一致”ではなく“財管組替”
管理会計が主役になるのが理想
経営上重要なのは財務会計か管理会計か
制度はいつ変わるか分からない
管理会計が主役のシステムへ
7-5のまとめ
7-6 高まるシェアード・サービス・センターへのニーズ
IFRS、XBRL、クラウドが可能にする新たな世界
グループ会社は対応し切れない
IFRSとXBRLが国の壁をなくす
IFRS+XBRL+クラウド=経理業務全面オフショア化
7-6のまとめ
7-7 オラクル社の例
シェアード・サービス・センターをインドに設立
グローバル企業オラクルの課題
シングル・インスタンスをインドに
大幅なコスト削減と決算早期化
7-7のまとめ

