座標科学でわかる航空管制

概 要

航空管制で利用されている座標科学の解説書です。航空管制では、座標を使って航空機の未来位置を予測する作業を行っています。ひとくちに予想といっても、航空機の上昇・旋回・水平・降下という個別運動に、飛行場周辺の離着陸、ターミナル空域の出発・進入の交差、内陸・洋上の航空路の飛行などが重なって、予想のケースも千差万別のため、状況にあったさまざまな座標が要求されます。本書は、JAL115便のフライトを追跡しながら、多様な座標系と慣性航法装置(INS)が位置と速度を算出する仕組み、WGS-84測地座標系とGPS緯度経度の関係、最新広域航法(RNAV)の座標変換の方法などを解説しています。航空灯火や飛行場標識とマーキングなど興味深いコラムも満載。

著者 園山耕司
価格 本体2000円(税別)
ISBN 978-4-7980-3629-8
発売日 2012/12/20
判型 A5
色数 1色
ページ数 312
CD/DVD
対象読者 中級
シリーズ
表紙イメージ
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目次

序章 航空管制と座標のかかわり

第1章 羽田発JAL115便の出発準備

出発準備完了まで

管制業務の分担

航空交通業務の内容と種類

飛行援助機関

第2章 航空管制と座標 航空管制の基本:座標位置の確認

航空管制とは

航空管制の出発点は位置の確認

管制官は2投影平面図を使う

真理は見えないところにある

2つの管制方式

2つの座標系を使う最新航空管制

最新の航空機がもつ3つの航法手段

偏角と伏角は緯度経度によって異なる

第3章 飛行計画を承認する 実用座標の利用

デリバリー席による管制承認

管制承認とは

気圧で高度を計る

管制座標平面の原点は管制席によって異なる

第4章 JAL115便タキシング開始 ベクトルと線形代数計算の基礎

ランウェイ16Rに進入するまで

羽田空港の滑走路

滑走路の使用方法

ビジュアルアプローチ

ビシュアルアプローチとILS進入の上空通過精度の比較

マルチラテレーション(MLAT: Multilateration)

航空管制で使う飛行距離はスカラー量ではない

ベクトル量の計算

速度の空間ベクトル

ベクトルを学ぶ必要性

ベクトルの方向変換

行列、ベクトル

ベクトルの線形変換

第5章 JAL115、クリアード・フォー・テイクオフ 緯度経度による羽田‐伊丹間直行距離の計算

離陸の許可

羽田‐伊丹間直行距離の計算

航空情報の航空路図誌はベクトル図

航空図はどうやって作るか

第6章 東京ACC武蔵セクターのレーダー監視を受ける レーダー管制および洋上管制における座標技術の利用

東京コントロール武蔵セクターからの指示

武蔵セクターとは

ACCの中のセクターの働き

ACC管制官がRDPを使ってレーダー管制する状況

航空機の「FLY」が管制官の「VECTOR」に優る

管制官の最も重要な仕事は間隔設定

空港の年間離発着回数はフィダー席が鍵を握る

位置の予測

第7章 RNAV(エリアナビゲーション)の優越 WGS-84回転楕円体によるGPS座標変換の計算式

CNS/ATM構想の推進

RNAVの効用

RNAV(エリアナビゲーション)航行の手順の概要

航空機の飛行位置の測位

GPSの利用

測位の原理

緯度経度への変換

RNAV経路と従来の航空路の混合管制

航空機間の垂直間隔

洋上管制における縦間隔と横間隔

第8章 東京ACC三河セクターのレーダー監視を受ける B-777のナビゲーションディスプレイの構成

武蔵セクターから三河セクターへの管制移管

トラフィック(航空交通)情報は時計座標

パイロットは磁方位を確認しながら飛行する

第9章 INS(慣性航法装置)の活躍 ジャイロと加速度計の働き

方位と距離を正確に知る装置

INSに加わる力

センサーの取り付け方が異なる2つの慣性航法システム

航空機の位置の変化(偏位置)と加速度の検出

プラットホームの水平面とは

INSの補正

B767やB777以降の旅客機に使用されているINS

B777に使われているレーザージャイロ

第10章 日本一複雑な方式制限をもつ関西アプローチの管制を受ける 座標利用によるレーダー間隔設定の要領

JAL115便、大阪ATISを聴取

関西ターミナルレーダー管制所の特徴

関西ターミナルレーダー管制所が使用するSTAR

関西アプローチの管制状況

RNAV(GNSS)RWY32開始点(ミドウ)までに

縦間隔3マイルの設定

間隔(セパレーション)の設定方法

間隔設定のための迂回経路の計算

第11章 ADS(自動従属監視システム)の精度 航空機固定方式によるジャイロ座標変換の計算式

ADSとは?

ADSの弱点

ADSに利用される装置と精度

ADSが解消したもう一つの航法の弱点

機体固定方式ジャイロの座標変換によるトルキング

第12章 JAL115便、LOC RWY 32Lに乗る RNAV-GNSSアプローチのLナビおよびVナビ方式の解説

進入開始まで

精密進入方式

RNAV(GNSS)アプローチ

RNAV(GNSS)進入経路

T型とY型

伊丹空港のRNAV(GNSS)RWY32Rアプローチ

ウエザーミニマとランディングミニマ

第13章 天候の変化を支援する管制官 悪天候支援の技術

積乱雲、強い前線の回避

気象情報の通報

パイロットの気象報告

飛行や航空管制に大敵の悪天候

悪天候から航空機を守る支援――管制承認の段階

火山灰対策

ジェットストリームのCAT対策

コントロール中の気象支援

離着陸機の支援

VFR機に対する天候悪化の支援

第14章 JAL115便、伊丹空港に周回進入で着陸 ILSロカライザーによる進入方式

14-1 JAL115便、LOC RWY 32Lを実行して着陸

到着機の進入方向に対向して離陸させるときの

出発機との間隔設定の方法

LOC精密進入とRNAV(GNSS)進入による平行進入

滑走路14Rへ周回進入

14-2 JAL115便、滑走路横断のタキシング

マルチラテレーション(MLAT)

地表における位置標定

第15章 進入管制の座標 時間または距離座標利用による進入管制

進入管制とは

進入管制において使用する座標

進入管制における水平間隔

進入管制における垂直間隔

速度による間隔設定

ノンレーダー管制の距離による間隔の設定

アプローチ管制官の進入管制の醍醐味

第16章 航空管制における情報の提供 静的情報と動的情報の提供

静的情報(航空情報)

航空図

動的情報(飛行情報)

飛行情報の提供

航空援助施設による情報の提供

第17章 課題を残す次世代航空交通システム(CNS/ATM) CNS/ATM

CNS/ATMの第一段階

CNS/ATMの第二段階

ポストCSN/ATMの動き

交信の飽和状態

ヒューマンエラーの根絶

気象急変の克服

これからの方向

英語・英文略語の解説

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