うつ・不安・不眠の薬の減らし方

うつ・不安・不眠の薬の減らし方
著者 原井宏明
ジャンル 医学
書店発売日 2012/12/21
ISBN 9784798036359
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 2090円
(本体1900円+税10%)
在庫 品切れ・重版未定

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うつ・不安・不眠で薬を飲んでいる人が、薬に頼らない生活を取り戻すために知らなければならない知識やアドバイスをまとめた入門書です。現在飲んでいる薬をどうしようか迷っている患者さん、薬を処方している医師、薬剤師など医師以外の医療関係者を対象に、薬害と効果のどちらかに偏ることなく、エビデンス(根拠)に基づき、薬をやめるかやめないかの意思決定を助ける決断樹、決断分析を解説します。また、減薬や断薬に成功した患者さんが、なぜ精神科に行くのか、なぜ薬を飲むのかというテーマで、自身の考えや迷い、そしてどういう結果になったのかという体験談を掲載。同じような立場の患者さんの体験を知ることで、あなたも余裕ある判断ができるようになります。

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第1章 常識を変える「知識」
●心の問題と、治療薬についての「常識」を問い直す
この本で得られる「知識」とは
向精神薬に関する「常識」クイズ
「常識」クイズの答え
●向精神薬に関する「事実」
事実1 診断名や症状では薬も治療も決められない
事実2 薬と病名はミスマッチ
事実3 抗うつ薬が元気にしてくれるわけではない
事実4 薬が効くかどうかは専門家にも微妙な問題
事実5 抗不安薬は不安をなくす薬ではない
事実6 「どんな患者でも、どんな治療でも治る」「どんな医師が治療しても同じ」ということはない
●行動から行動を考える──行動主義心理学と医学・薬理学
2種類の心理学──行動主義心理学と内省心理学
パブロフの発見から生まれた行動主義心理学
行動薬理学──脳の仕組みからではなく、服薬後の行動から薬の効果を考える
パブロフの犬──体に何かを入れる前に音を聞かせるとどう行動するか?
ガルシア効果──体に薬を入れるときに放射線が当たるとどう行動するか?
好子出現による強化──行動した後、薬が体に入ると、その行動が増える
スキナーボックス──レバー押し行動の強化
嫌子出現による弱化──行動した後、薬が体に入ると、その行動が減る
嫌子消失による強化──行動した後、嫌子が消えると、その行動が増える
好子・嫌子/強化・弱化、レスポンデント・オペラントの整理
レスポンデント行動・オペラント行動の相互作用
向精神薬は、レスポンデント行動・オペラント行動を選択的にやめさせる
●行動から見た薬の作用──抗不安薬・催眠鎮静薬
抗不安薬・催眠鎮静薬とは
行動薬理学から見たベンゾジアゼピン系薬物の効果
体の中での薬──ベンゾジアゼピン系薬物の薬力学
神経での作用
薬物動態学──体の中での薬の動き:肝臓で分解され体外へ
作用時間は薬ごとに違う
うまい話ばかりではない──よい薬にもリスクはある
医師にとっての薬──依存するのは患者だけではない
効かなくなるというリスク──耐性
やめたときに起こるリスク──離脱症状
●行動から見た薬の作用──抗うつ薬
“抗うつ”薬は最初は抗うつ薬ではなかった
なぜ効くか? を薬の名称にしたSSRI
やはりSSRIは“抗うつ”薬ではない
行動薬理学から見た抗うつ薬の効果
学習性無力感──絶望した犬
抗絶望効果──強制水泳試験
抗攻撃作用──新参者に対する攻撃行動に対する効果
新規刺激恐怖・強迫行動に対する効果
●現実の結果から薬の是非を判断する──臨床疫学・EBM
二つの医学
EBM──臨床疫学のアプローチを生かして医療を実践する
●決断を助ける「臨床決断分析」──決断樹
決断樹の作り方
決断樹の例1 頓服を飲むかどうか?
決断樹の例2 頓服をやめて抗うつ薬を飲むかどうか?
決断樹の例3 抗うつ薬をやめるかどうか?
決断に必要な情報──再発確率のエビデンス
決断樹・確率はわかった、実際のところはどうか?

第2章 減薬・断薬の「経験」
●体験談1 二度の失敗を経て精神安定剤の断薬に成功(30代男性・パニック障害)
●体験談2 5年間飲み続けたうつ病の薬を5か月でやめた(30代女性・うつ病)
●体験談3 睡眠薬を断つことで、うつも快方に(30代女性・うつ病)
●体験談4 OD(オーバードーズ)していた私の薬が1種類になった(30代女性・境界性パーソナリティー障害)

第3章 事例から学ぶ「対処」
●患者さんの体験談から学ぶ
4人に共通する、薬を減らすための方向性とは
方向性を変える──原因探しをやめ、自分の行動から考える
マイ・データをとる──セルフモニタリング・認知記録
薬をやめられない原因ではなく飲む理由・続ける理由を探す
不安対象を増やす行動を理解する
「不」を「無」にしようとする不毛な試みをやめる
「薬を飲んで寝て休み、嫌なことを避けていればいずれ治る」という“半分だけ正しい”常識を捨てる
症状に囚われ、原因を探し、対処しようとするワンパターン行動から抜け出す
●原因探しでも、対処でも、避けるでもないやり方
パニック障害で薬をゼロにするために
内部感覚エクスポージャー──わざと不安や嫌な気持ちを味わう
エクスポージャーの具体的なメニュー
エクスポージャーの注意──計画と協力者、目的
1週間に1~2回の反復練習をする
エクスポージャーの意味を変える頓服は避ける
定期薬は整理して続ける
SSRIを断薬する場合は独特の離脱症状に気をつける
嫌なことを受け入れていくことの意味
●医師に対するアドバイス
減らせる処方の原則1 「名前処方」をやめる
減らせる処方の原則2 「条件反応処方」から「結果随伴性処方」へ
減らせる処方の原則3 患者さんとのコミュニケーション
シナリオサンプル──ある日の面接場面
シナリオサンプル──次の外来
リスク・コミュニケーション──患者にクスリとリスクを伝える
私たちの判断は決して合理的ではない
私たちのリスクの感じ方の特徴
因果関係の判断が苦手
医師のすべきこと
●患者さんがお医者さんを面接する
医師へのアンケートから医師の現実を理解する
ベンゾジアゼピン系薬物とドグマチール
薬以外の方法──カウンセリングで減らせる?
どうやって医師を探すか
●まとめ
人類は今も昔も薬物解決志向
薬を飲む理由がはっきりしていれば依存にはならない
薬が必要か不要かは正しく使ってこそわかる
あなたの行動とそのデータがエビデンスを作る

資料編
●資料1 向精神薬の説明
向精神薬の作用・副作用
大量服薬したとき
向精神薬の種類と使い方
●資料2 処方薬の整理・減量を目指す方へ
依存症とは?
依存症が問題となるケース
薬を整理し、減らすために
●資料3 眠れない人のために
生活習慣の改善による睡眠衛生の確保の仕方(睡眠習慣調整療法)
睡眠薬の使い方
睡眠薬の禁断症状
やめたら睡眠薬の効果復活
●資料4 妊娠中の薬
リスク計算の例
副作用の標準的な判定の方法
●資料5 オンラインで入手できる治療に関する
エビデンスに基づく医療情報

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